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金融取引でも使われるUDPのマルチキャストの基礎

ユニキャストとブロードキャストとマルチキャスト

マルチキャストを理解する前に、マルチキャスト以外の通信方法も理解しましょう。

ユニキャスト 1対1 の 一般的な通信。
別のセグメントとも通信可能
ブロードキャスト 1対全部
同じセグメントのみ
マルチキャスト 1対グループ
別のセグメントとも通信可能


マルチキャストとは

  • 1つの送信元から、複数の宛先グループへ送る通信。
  • 送信者は1回の送信で、ネットワーク機器でコピーされて送られる。
  • ルーティングは全く関係ない
  • UDPで片方向通信。(TCPは1対1を想定しているため使えない)
  • 受信端末(Receiver)は、そのマルチキャストアドレスの受信をIGMPというプロトコルで、同セグメントのルータに要求
  • OSで管理するユニキャスト用のIPとは別に、マルチキャストを受信したいアプリケーションが個別にマルチキャストアドレスを持ちます。
  • ルータはPIM等のマルチキャストルーティングプロトコルで他のルータと情報を交換し、どこにマルチキャスト通信を届ければよいかを知る


マルチキャストが使われるシーン

  • 金融のレート情報配信
  • 動画一斉配信


マルチキャストのメリット・デメリット

メリット

  • 送信元の負荷が低い
  • 回線負荷が低い

デメリット

  • UDPで片方向通信


マルチキャストの用語

Sender マルチキャストを送信するサーバ
Reciver ・受信クライアント
・受信クライアントで、マルチキャストグループに参加する。
・マルチキャストグループに参加したタイミングで、
 参加したマルチキャストグループに対応するMACアドレスが割り与えられる
マルチキャストグループ マルチキャストのトラフィックを受信するホストの集まり
マルチキャストIPアドレス 下記参照
マルチキャストMACアドレス 先頭の25ビットが決まっています。
「01-00-5E」になります。
PIM Protocol Independent Multicast
マルチキャストルーティングプロトコルの一種で、デファクトスタンダード
バージョンは1,2があるが、2が使われる場合が多い。
4 種類のモードがある。
・PIM-Dense Mode (PIM-DM)
・PIM-Sparse Mode (PIM-SM)
・PIM-Source Specific Mode (PIM-SSM)
・PIM-bidirectional Mode (PIM-bidir)
IGMP Internet Group Management Protocol
レシーバが、あるグループアドレスのマルチキャストを受信したいときに送信するプロトコル
ルータとホストとの間でマルチキャストパケットをやりとりするプロトコル
ホスト(Receiver)がルータ(ラストホップルータ)に対して、マルチキャストグループへの参加、維持、離脱を通知するためのプロトコルです。
IGMPで、Receiverの存在を通知するマルチキャストグループへ参加します。
IGMPv1
IGMPv2
IGMPv3
PIM-SSM ではバージョン3のみが利用可能。
それ以外のモードではバージョン1/2が利用可能だが、2が使われる場合が多い。
IGMPスヌーピング 非受信クライアントに対する無駄なトラフィック転送を防ぐためのスイッチの機能
RP(Rendezvous Point)
ランデブーポイント
マルチキャストの中心となる装置。
SenderはRPにマルチキャストを送信して、RPを経由してRecevierへ流れる。
マルチキャストのトラフィックを受信したいホストが接続されているルータはRPにその情報が登録されます
送信元からRPまでが送信元ツリー、RPからマルチキャストグループまでが共有ツリー
ランデブーポイントを設定するときはループバックインターフェースのアドレスを使用してダウンしないようにするか、ランデブーポイントを複数用意して冗長化してください。
FHR (First Hop Router)
ファーストホップルータ
送信元サーバの最寄りルータ
LHR (Last Hop Router)
ラストホップルータ
Receiverのセグメント上に接続されているルータ


マルチキャストIPアドレス

宛先IPアドレスとしては、クラスDの「224.0.0.0〜239.255.255.255」が使われる
ユニキャストのようなサブネットマスクの概念はない。

名前 アドレス範囲 説明
リンクローカル 224.0.0.0 ~ 224.0.0.255 同じサブネット上のみ有効
TTL=1
224.0.0.10 EIGRPルータで利用
224.0.0.18 VRRPルータで利用
224.0.0.5 OSPFルータで利用
など
グローバルスコープ 224.0.1.0 ~ 238.255.255.255 インターネット上で利用するアプリケーション
プライベートスコープ 239.0.0.0 ~ 239.255.255.255 プライベートネットワークのみで利用


マルチキャストのための設定

マルチキャストのためにネットワーク機器でどのような設定が必要か理解しましょう。

L2機器(L2スイッチ)

L2スイッチでは、ブロードキャストと同様にデフォルトでフラッディングされます。
同じセグメントに送信者(Sender)と受信者(Reciver)がいれば、通信できます。
(受信者クライアントがマルチキャストグループに参加している必要あり)


L3機器(L3スイッチ、ルーター)

マルチキャストはブロードキャストと同様にデフォルトでは転送されません。
マルチキャストルーティングを有効にしてあげる必要があります。
マルチキャストルーティングプロトコルにより、Receiverの存在するインターフェースを通知します。




マルチキャストアプリケーションのSenderとReceiverの例

Sender

送信元IP :  192.168.10.5
宛先マルチキャストアドレス : 239.1.1.5
ベースポート: 5004

SenderのNICが複数の場合

複数インターフェースがある機器の場合、出力インターフェースを指定しないと、意図していないインターフェースから出力されてしまう可能性があります。
特定のインターフェースを指定する場合には、インターフェースに設定されたIPアドレスを指定します。


Receiver

ホスト名 : receiver-1
受信サーバIP :  192.168.10.11
rtp://239.1.1.5
ホスト名 : receiver-2
受信サーバIP :  192.168.10.12
rtp://239.1.1.5

ReciverのNICが複数の場合

マルチキャストアドレスと利用するネットワークインターフェースを指定しなくてはなりません。




ディストリビューションツリー

マルチキャストパケットをルーティングする取り決めです。
ディストリビューションツリーで、マルチキャストを受信すべきインターフェースとマルチキャストを転送すべきインタフェースの情報が形成されます。

送信元ツリー(Souce Tree, SPT:Shortest Path Tree)

マルチキャストソースごとに個別のディストリビューションツリーを作成します。

共有ツリー(Shared Tree, RP Tree)

特定のルータ(RP) を中心として、複数のマルチキャストソースで共通のディストリビューションツリーを作成します。







参考


knowledge/multicast.html.txt · 最終更新: 2020/08/29 00:56 by kurihara

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